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2018.01.15
『神戸派計画』のマッド・ステーショナリストに20の質問
仕事で関わったモノを、とんでもなく好きになってしまった。そんな経験はありませんか?
いま、数多の文房具好きに注目されているステーショナリー・ブランド『神戸派計画』。その営業頭である多田 智(ただ・さとし)さんは、好きを極めて商品作りにまで携わり、さらには、神戸ブランド拡張のため、単身、東京へと乗り込んできた、マッドなステーショナリスト。
三度の飯より文房具が好き(かもしれない、よくお昼を食べ忘れてるから)な多田さんを見ていると、使い手の所作にまでこだわって作っている、という美しい『神戸派計画』の商品の源が見えてくるようです。今回は、その文房具愛を余すことなく語っていただこう!と、20の質問をぶつけました。
マッドなステーショナリストは
本当にマッド?
"マッドな"ステーショナリストとして名高い多田さん!初めからマッドな質問でいきます!
- 1・文房具が好きすぎて、朝起きたら文房具になってた!なんの?
- うそぉ・・・。(絶句)
いや、ノートやなあ。一番初めに思いついた。普通の、普通のノート。たぶん自分が使ってたやつ。
なるほど。(真面目だ・・・)
- 2・自分の中でいちばん文房具っぽいパーツはどこ?
- 手
使うっていう意味で、道具に近いから。
わかります。(真面目だ・・・)
- 3・文房具として持ち歩きたい好きな芸能人は?
- 藤原紀香さん
きれいし、美人やからね。
お好きなんですね、紀香さん。(真面目だ・・・)
- 4・上質な紙と美女の髪。なでるならどっち?
- 上質な紙
回答が潔いですね。(お?マッドか?)
- 5・製本の甘いノートと、縫製の甘いジャケット、許せないのはどっち?
- 縫製の甘いジャケット
着てて気持ち悪いのはちょっとな・・・。
ですよね。(いや、マトモだ・・・・!)
- 6・永遠にインクがなくならないペンと、永遠になくならない瓶ビール、どっちがほしい?
- そりゃ、瓶ビールでしょ
MOVスタッフも大好きです!(どうしよう・・・)
- 7・人生で一番昂った瞬間を文房具に例えると?
- 自分に合った、新しい万年筆
一番最近やと、子どもが生まれた時やけど。あたらしい、自分にあったモノが見つかると、めっちゃ嬉しいやん。
・・・・そういう感じであってる?
大丈夫ですよ。
(すごく真面目な人だ!!!!!)
もしかしてマッドじゃない!?
真面目な質問にシフト・チェンジ
すこし、質問を変えますね。(ドキドキ)
- 8・そもそも文房具にはまったきっかけは?
- 文房具かぁ・・・。万年筆にハマったきっかけについて話してもええかな?
神戸で印刷の営業をしてたときに、お客さんが万年筆の専門店で、魅力を熱く語ってくれてん。それで、そのとき買った万年筆が、すごいよかってん。
初めて、"このペン(万年筆)を使いたいからなんか書こう、なんか考えよう"って思ったんよね。しかも使ってると、その当時25・6歳やったから、「多田くん、若いのに、筆記具好きなん?」「書く道具にもこだわってんねんや?」「多田、お前、結構考えてんな」って。
営業ツールとして出会ったのがはじまりとは。その万年筆が、文房具をより意識するきっかけになった、と。
- 9・文房具のために毎日欠かさずしていることは?
- 毎週末、万年筆のメンテナンスをやる
毎週末インクは補充するようにして、補充したあとに書き味を確認して。土日絶対やるようにしてるかな。
- 10・一ヶ月の文具代はいくら?
- いつも持ってるペンケースの中、足したら家1軒買えるくらいかな 笑
毎月決まって買ってる額とかは特になくて。良いペンがあれば買ってしまう。て感じかな。
なんだか、金銭感覚が万年筆基準になってきました・・・!
多田さんは、『神戸派計画』の商品企画もされてますよね。
- 11・新商品のアイデアが浮かぶのはどんなとき?
- お客さんの意見と自分の違和感が組み合わさった時
僕は、なにもないところから生み出すのはとても苦手な人間で。お客さんの何気ない一言であったり、展示会での商品の手に取り方とかを見て、頭の中に貯めとく。もう一方で、自分が使ってて、違和感があるものを覚えとくようにしてる。貯まったものが組み合わさって、おぼろげに商品が見えるまではずっと待ってる。 - 12・これまでに見たことない文具を発明するとしたらどんなの?
- 文具だから文具っていうを超えたいかな
手に持ったときにかっこいいペン。当たり前やんそんなん。使いやすいペン。当たり前やん。もっと文具の垣根を越えて、例えばファッションアイテムとしても実用性があるとか、ええよね。あとは、音楽とか照明、形のないものと組み合わせたアイテムが、今後面白いやろうなって思う。
すげえアイディアは公開されたら困るし、詳しくは言われへんけど・・・。
神戸派計画が今後展開する新商品でお目にかかれますように!
- 13・人に自慢できる文房具トリビアは?
- 1mmから8mmまで方眼サイズを変えて作ったノートを開発したブランドがある
4mm方眼とかあるやろ?
1mmから、5mm、6mm、8mm方眼もあるノートを作った文具ブランドがあるんですよ。『神戸派計画』の<recto(レクト)>っていう。
まさかの宣伝!!笑
とはいえ、これだけ方眼の種類を揃えたノートシリーズはなかなかないのだそう。ノートの使い方も文字の大きさも人それぞれ。自分にあった方眼サイズもひとそれぞれ。選べるって素敵だなと思います。
ステーショナリスト愛用の文房具
知識もさることながら、たくさんの文房具(主に万年筆)をお持ちの多田さんですが、
- 14・これなら目に入れても痛くない!愛しい万年筆3選
- パーカーソネット・シズレ・スターリングシルバー115周年モデル
これ1本と言ってもいいぐらいかも。ものすごい気に入ってる。ペン先が細いやつやから、しっかり考えたことメモしたり、忘れたあかん言われたことメモしたりはこれ。
それから、レコルトの伊勢丹限定の万年筆。
極太のペン先を使ってて、書き味がすごいいいのよね。ふわーと書ける。気持ちよすぎて、線引くだけで満足してしまう。
3つ目が、最近試してるTWSBI(ツイスビー)の万年筆。
台湾のメーカーやねん。ボディの色もいいし、ペン先もいいし。全部分解できるから、きれいに洗えて、インクの色を変えるときにほかの色を入れても混ざらへんねん。
え、試しても良いんですか!?(書き書き)うわっ、うわっ、うわー!ぜんぶ違うけどぜんぶ楽しい!!
気負わず、気に入ったデザインで、道具として手に馴染むものを選べばいい、という多田さんの言葉が、ストンと腑に落ちる感覚。
- 15・娘がハタチに!そのときプレゼントしたい文房具は?
- やっぱり万年筆かなあ
万年筆の本体だけ渡して、インクは一緒に選ぶな。まあ、本音は文具より時計とかのほうが贈りたいけど・・・。
さきほどもお話にでてきた娘さん。20歳になるのが楽しみですね。
- 16・自社製品のなかで、いちばん愛しているのはどれ?
- recto styleのno.3
理由?かっこいいから。かなりページ数が多いから、何ヶ月も使えるわけやけど、ぜんぜん壊れへん。丈夫で、開きが良い。そんでかっこいい。
- 17・いちばんグッとくる、ノートの行幅or方眼は?
- 方眼やと4mm
万年筆で書いた時、僕が書く字の大きさに一番合ってる。いつも使うペン先が中字ぐらい、ちょっと太めやから、書いたときに文字が大きくなりがちなの。それがハマる、一番ちょうどいいのが4mmやねん。
- 18・「これ考えた人天才やな」と思った文房具は?
- 神戸派計画のSUITO(スイト)クリーニングぺーパーやと思うわ。自画自賛やけど。笑
もっと大きなくくりで言うなら、シャーペンと紙かな。
シャーペンは学生時代にあんなに快適に勉強できんかったし、紙はいろんな情報伝達とか記録が残らへんかったわけやし。超重要なものやったなって思う。
2015年に日本文具大賞も受賞した商品ですよね!以前『SUITO』お試しさせていただきました。ほんとに万年筆が簡単にピカピカになるのでびっくりしました!
さて、次の質問は忌憚のないご意見をいただきたいんですが、
- 19・キャンパスノート(KOKUYO製品)変えるならばどこ?
- キャンパスノート、無敵やと思うけどな。
ホンマにさ、キャンパスノートの完成度ってめちゃめちゃ高いと思ってるのよ。あの値段で、あのクオリティで、あれだけどこでも買える流通網も持ってて。完成されてんなあって気がしてる。
文章だと伝わりづらいですが、本気で褒めてもらってます。(目がマジでした)
ありがとうございます。では、これが最後の質問です。
- 20・多田さんにとって文房具とは?
- 僕の人生においてかけがえのない、道具であり、相棒であり、親友であり、恋人であり・・・・
人生のターニングポイントになったもの。
「万年筆と出逢ってなかったら、東京で今の仕事してなかったと思う」とおっしゃる多田さん。
マッドなステーショナリストというよりは、ものすごくマッチョな営業マン!!とてもピュアな、万年筆&『神戸派計画』ラバーであることがひしひし伝わってきました。今回の、愛と熱意のこもった答えを聞いて(読んで)いるうちに、文房具についてマッチョな営業されたい!または、万年筆と『神戸派計画』の商品を使いたくなってきた!という方、今がチャンスです。
ショーケース・aiiima2では、『神戸派計画』の展示会【神戸派計画 new year exhibition】が開催中。1月17日(水)までなので、気になる方はお早めに!