Channel
世界初!離れた場所でもリアルタイムで同時にコーディングできる!
ビジュアルプログラミングツール『プログミー』の石橋 康大さんにインタビュー
小さいうちから習得しておけばよかったと思うことってありますよね。わたしの場合は、水泳、外国語、そしてプログラミング。なかでもプログラミングは、いま、学んでみようかな?という方も多いのではないでしょうか?
でも働きながら一人で学習するのはちょっと大変。そんなとき強い味方になってくれそうなのがビジュアルプログラミングツール『Progummy(プログミー)』です。複数人で同時に編集できる夢のようなプログラミングツールで、石橋康大(いしばしやすひろ)さんが代表をつとめるスタートアップ株式会社プログミーさんが開発されました。
聞けば、世界初のツールとのこと!「ひとりでは難しいことでも、家族、友達、同僚と協力すれば、思ったよりかんたんに解決することがある。そんな最高のコラボレーションをサポートすることで、もっと便利に楽しくチームワークを発揮できる世界を作りたい。」そう語る石橋さんに、プログミーのここがすごい!を伺います。
さっそくですが、プログミーについて教えてください。
プログミーは初心者の方にむけたプログラミング学習のソフトウェアです。おもちゃのレゴみたいにブロックを積んでいくタイプのツールで、いわゆるビジュアルプログラミングツールと言われています。
同じようなツールのなかでも世界初!と伺いました。特徴はどんなところなのですか?
プログミーはGoogleドキュメントのように共同編集できる機能を搭載しています。そこが世界初です!離れていても、リアルタイムで同時に編集できるので、学習者同士がグループワークでプログラミングするとか、生徒さんへのオンライン指導がスムーズになります。加えて、作ったプログラムを実行するときに、オンラインで一緒に遊べるという特徴も持っています。
楽しそうですね。開発のきっかけも、お子さんと遊んでいるときだったそうですね。
わたしがソフトウェアエンジニアをしていたので、子どもにも早いうちからプログラミングに触れさせようと思って、当時3歳ぐらい(現在は8歳!)の長男を膝の上にのせて、二人でパソコンを見ながら「ちょっとやってみようか」と、既存サイトにアクセスしてやってみたんですね。
大人がやってることって興味持ちますもんね。
ベーシックなやり方を教えて、わりと楽しそうにやっていたんですけど。子どもがやりたいことは、どういうふうにブロックを繋げると叶うのかというのは、もちろんエンジニアなのでわかるじゃないですか。ついつい手を出したくなるんですけど。「パパ、触らないで!」と怒られてしまって 笑。
もともとGoogleドキュメントみたいな共同編集ツールが大好きだったので、他のパソコンからこのプログラムを同時に編集できたら、もっと子どもと一緒に楽しめるし、もっと便利になると思ったんです。それでそういうツールを世界中探したんですけど、なくて。ないなら自分で作ろうってことで、当時のエンジニア仲間に声をかけてプログミーを作りました。
世界中を探してもない機能って、開発も大変だったのでは?
同僚の中で一番能力の高いエンジニアに協力してもらったんです。「こういうのできないですかね」って声をかけたら、何人かに協力してもらえて。本業の傍らで、数ヶ月かけてプロトタイプをつくりました。
今チームにいらっしゃるポーランド人のエンジニアさんもその時から?
エミルですね。彼は途中からです。立ち上げ当初から、このプロダクトはグローバルに展開していきたいと思っていたので、エンジニアを増員しようというタイミングになったときに海外で探そうと思ったんですね。
リサーチしたところ、東ヨーロッパの地域に優秀なエンジニアが揃っているらしいという話を聞いて。その中でも、親日国であるという背景や、英語でのコミュニケーションの取りやすさなども加味して、ポーランドを中心に探してみようと決めました。
ポーランド...あてがあったとか?
ぜんぜんなかったので 笑。在日本ポーランド商工会議所にダメもとでメールして、事業内容とエンジニアを探していることを伝えたら、代表の方がとても親切で。ちょうどポーランドで人材のプラットフォームやってるスタートアップのCEOがいるから紹介するよって言ってくれて。応募してくれた人たちの中にいたエミルさんにお願いすることになったんです。
行動力!大事ですね。創業していちばん嬉しかったことを教えてください。
やっぱり最初の売上ですね。最初のお客さんは京都のプログラミングスクールさんで。最初の売上なので数千円ですけど、金額以上の喜びや嬉しさがありました。
プログラミングって興味ある大人もいっぱいいると思うのですが、プログミーは大人にも役だったりしますか?
はい!実際に社員研修で使いたいというお声もいただいています。社員研修の場合はプログラミングの習得というよりチーム開発という意味合いが強いですね。あるいはエンジニアチームをマネジメントしないといけない非エンジニアの方達の研修とか。
立場によっては、ありえますもんね。
普通のプログラミング言語を使って同じような研修をやろうとすると、まず、その言語の文法とか書き方を習得する必要があるんですけど、プログミーの場合はビジュアルプログラミングツールなので、その段階をスキップできます。かつ、チームみんなで一緒に作れる。オンラインでもチーム開発の研修ができる。コロナのタイミングがはまった点でもあります。
なるほど、遠隔でプログラミングを教えるってちょっと大変そうですけど、同じ画面を編集できるなら双方ストレスなく学べそうですね。では今後のビジョンを教えてください。
ブロックを積んでプログラムが書けるのは楽しいし、入口としてはいいんですけど。JavaScriptとかPythonといった言語にスムーズに移行すること考えると、ブロックをずっとやっていても、残念ながらできるようにはならないので。ブロックで組んだプログラムをJavaScriptに変換して閲覧できる、JavaScriptやPythonの、初歩の段階に親しんでいただけるような作りにしていきたいと思っています。
それは楽しみ!
今はプログラミングの範囲の話になっていますけど、ゆくゆくはもっと大きく。たとえば、プログラミングを学びたいと思う動機って色々あると思うんです。フロントのことがちょっとやりたいとか、最近だったらブロックチェーンとかNFTってどうなの?とか。ちょっと前の、AIやディープラーニングをきっかけに、プログラミングに興味をもってはじめてみたという方がいっぱいいると思うんですね。でも始めてみると、ハローワールドやらされて、ぜんぜん実践にいたらない、みたいな 笑。
わかります。わたしにも心当たりあります。関数(n)って n じゃなきゃだめなの?とか 笑。
初心者だとエラーメッセージを見てもどこがエラーなのかわからなかったり。ロジックとかアルゴリズムを組むことが本質的な部分なのに、それ以前の環境構築や、文法ごとの書き方とかスペルミスで躓いちゃう。
そういうプログラミング入門の障壁を高くしている部分を、どんどん省いていく。例えばAIを始めたい人が、「AIってこういうものなのね」ときちんと理解できるところまで簡単にビジュアルで学べる。
テックを学ぶすべての人の入り口になって、"テックの民主化"をしていくのが目標です。
すばらしい!!生涯、学習者でいられそうです!
「一緒だと、もっと楽しい、もっと身に付く」という、プログミーのよさから生まれるソーシャルな側面も絶対に大事にしていきたいです。既存のユーザーがどんどん友だちを誘って一緒に開発したり、作ってから一緒に遊んだり。そういう構造を活かせば、世界中で輪を広げることができる。プログラムを一緒に学ぶ・一緒に作る、というコラボレーションがグローバルに起こっていくプロダクトにしていきたいと思っています。
さらに現在、新しいプロダクトも仕込み中とのこと。MOVでは1年間、プログミーさんを応援しながら、今後の展開もご紹介していきます。お楽しみに!