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2018.04.30
「むかない安藤」という働き方―むかない安藤の1日編―
食べものを（ときにはそうじゃないものも）皮ごと、殻ごと、袋ごと食べて、食レポする破天荒な10秒動画「むかない安藤」。むかないことへの探求を6年続けてきたデイリーポータルZのライター安藤昌教さんに、"働き方"という視点で、自身の活動を振り返っていただいています。
これまで、「むかない安藤」そのものの軌跡をたどった年表編、「むかない安藤」を始めるまでの経緯を追った以前編、と紹介してきたこのシリーズ。今回は、「むかない安藤」の安藤さんって、どんな１日を送っているのか、にフォーカスした1日編です。
ご自身で振り返ってみた感想はわりとシンプルだそう。
社会人になってからずっとこの生活、という安藤さんの1日に迫ります。ご本人のインスタグラム（@ masanori_ando）と一緒にどうぞ。
むかない安藤の1日
06:00 起床
だいたい朝は早いです。6時頃に起きて、食事は僕の担当なので僕がつくります。家族の弁当を作って、それと一緒に、Twitterとかで波の情報をチェックするんです。僕サーフィンが大好きなので。#おいしそう #だな #お弁当！
07:30 仕事、の前にまずサーフィン
ごはんを食べたら、とりあえず海にはいります。僕ね、(いろんな仕事のうち)なにを一番やってますかって言われると、会社員より前に、サーフィンやってますっていってます。これが、僕の一番軸です。これをやらないとたぶん死んじゃいます。実は仕事より大事にしてます。サーフィンは、20歳ぐらいから、20年ぐらいやってるんですけど、年間に100回サーフィンをやろうっていって、やってます。ほぼ、波があるときは毎日ですね。冬でも毎日サーフィンするそうです
08:30 海からあがって始業
帰ってきたら、もうこの辺から仕事と言えうるもののことをしてますね。メールをチェックしたりとか。デイリーポータルＺの編集もしてますので、担当のライターからもらった原稿のチェックとか。僕の担当は江ノ島茂道っていうライターと、地主恵亮さんだったり、あとは大山顕さんとか。彼らからの原稿を朝のうちにチェックしてます。愛猫に邪魔されながらのメールチェック♡ でしょうか
11:00 出社、取材、執筆、企画、「むかない安藤」
そのまま取材に出ちゃうこともあれば、昼前に出社して、会社で勤務したりします。原稿も書きます。あとは、僕はデイリーポータルＺの中では広告企画を担当しているので、いろんな会社に行ってお話をすることが多いです。「デイリーポータルってこういうことをやってるんです。なんか一緒にやりませんかー？」とか「デイリーポータルさんといっしょにやりたいです」っていう人に会いに行って、なにをするか考えたりしてます。たのしそう
人に会ってることが多いですね。ライターさんと一緒に取材にいったりとか。実はこの後も江ノ島とラーメン食べるんですけど。そういう、ライターさんと一緒にどっかいくとか、人と会って面白いことを考える、とかしてます。
もちろん「むかない安藤」の撮影もしてますね。「むかない安藤」の撮影は1回に4〜5本撮ります。それを月に1回か2回ぐらい。大北くんと撮影をしてます。
ご自身の担当ライターである地主さんと
20:00 からっぽになって家路へ
だいたい8時か9時には帰るかなーってなってます。帰ってからは、マラソンもやってるので、走ったりとかします。あと、夜はできるだけ、物を読んだり、映画を見たり、物をいれるようにしてます。昼間に人とあって話をするので、中身が無いと話せないんです。本とか映画とかでインプットをどんどんしていって、それを昼間に全部吐き出すんです。「むかない安藤」もそうなんですけど、あるものを全部出しちゃうので、からっぽになって帰ってくるんです。
24:00 就寝
12時前には寝ます。睡眠大事なんで。で、6時に起きます。これはもう、休みの日でもそんな感じです。あんまり、今日休みっていうのが無いんですよ。いつも休みみたいな感じです。笑。という、そんな1日です。歌も歌う？
1日の最後 インプットはとにかく活字
僕は夜にはなにもないので、できるだけ情報をいれます。このときは、インターネットはあんまり見ないです。ネットの会社にいるんですけど、インターネットは、休みの日とかほぼ見ない。通勤時間もみないし、電車の中もほぼみない。本を読むか、映画を見てます。特に本が大好きで、ひたすら読んでます。インターネットのほうが情報量は多いんですけど、入ってくる情報が多すぎると理解できないので、本ぐらいがちょうどいいんです。 本を読むのがちょうどいいので、小説も読むし、科学の本も読むし、何でも読みます。新書も。とにかく活字でインプットしてます。
本に関するこだわり
本は電子書籍じゃなく紙です。1ヶ月に1回買うんです。ごそっと。買うのはアマゾンをめっちゃ使います。半分以上アマゾンかもしれないですね。あとは、本屋さんに行っても買います。本屋さんでも、ブックオフでも、なんでも。この前ね、オカルトの本を買ったんですよ。これはまた、（デイリーポータルで）記事になるのでなかなか言えないんですけど、その本屋さんがすっごい面白くて、いっぱい買っちゃいました！笑 （記事発見 オカルト今昔物語）
科学とオカルトって近いじゃないですか？例えば「昔、火星に文明があったんだよ」っていうと、ちょっとオカルトじゃないですか？でも「いま火星にいる探査機が、なにか化石を見つけました」ってなると、それは科学じゃないですか。そういうすれすれのところにあるんですよね。そういう本がいっぱいあって良かったです。本屋でないと見つけられないのは、行くようにしてますね。 本屋さんにも行くし、雑貨屋さんにも行くし、いろいろ取り入れてます。
なにか掘り出し物があったのでしょうか
余談：本に影響され、「むかない安藤」の真理に気づく
すごい影響を受けた本が何冊かあります。最近だと、インドの『シャンタラム』って本。ボンベイの話なんですよ。小説です。オーストラリアで刑を受けている塀の中の人が、脱獄してインドにいくんです。身体ひとつでいって、犯罪者なのでおおっぴらなことはできない。けどインドの人はすごく良くしてくれるんです。で、その人は、無資格だけど、怪我とかを直せるので、医者として重宝がられて、インド人としてやっていくっていう。半分実話なんですけど。これ読んで、いろいろ勉強になったことがあって。インド好きな安藤さん
そこに書いてあったのは善と悪はだれが決めるかっていうこと。善と悪って相対的なことじゃないですか？どっちかがよかったら善になるし、その反対側は悪になる。宇宙の理屈からすると、物事が複雑になっていくのが善だ、と。カオスになっていく、複雑になっていくのが善。それをとめる動きが悪ですね。だからバリエーションを持つ。ダイバーシティっていうんですか？いままでにないことをやっていくとか、可能性を持った新しいことをしていくのが善。それを食い止める、保守的になって新しいことしたくないとか、いまあるものをカットして、シンプルにしていくのは悪。
「むかない安藤」だって、みんながむいてるものをむかずに食べるって、新しいじゃないですか？善なんですよ。全部、後付けなんですけど。笑
バリエーションを切り開く。多様性って善なんですよ、宇宙の真理からすると。ていうのを『シャンタラム』読みながら、「むかない安藤」は善だっていうのが最近わかりました。笑
結果にコミットして自由に働く
僕がいまいる、イッツ・コミュニケーションズって会社は、ケーブルテレビを作ってるんですけど、すごく融通が効くというか、ニフティぐらい自由度が高いんですよ。9時に来て5時に帰れ、ということも特に無いです。自分で時間を決めて、仕事をさせてもらっている。それで、まあ、そうやっていても、のちのちの仕事が保てるようなことは自分でやらないといけないんですけど。やる気があるうちに、いろいろ仕事をさせてもらって、やる気が無くなったら帰ってインプットするっていうのをやらせてもらってます。朝食をつくり、海に入って、面白いことを考えて、からっぽになったら帰って、インプットする。仕事よりも大事なものがあって、休日という概念はほぼない。キャリアもそうだが、1日1日をすくい上げても、やはり自由な安藤さん。自分自身が好きなものを仕事に取り入れているからこそ、それぞれの境目がなくなっていって、よい結果につながるんですね。
さて、次回は最終回。「むかない安藤」の今後についてです。ぜひ。