イベントレポート！『over made STORE | WANDERING CRAFT』

皆さんこんにちは。スタッフの中村元気です。

今日は、8月17日から26日にかけ、aiiimaにて開催したover made STORE | WANDERING CRAFTの様子をレポートします。WANDERING CRAFTとは、渋谷ヒカリエ8階フロア全体で、同じテーマのもとにさまざまなコンテンツを披露する、夏休みの恒例の企画展です。

多様な素材、オーダーメイド、そしてお店感を盛り込んだメインビジュアル

今年のテーマは「オーダーメイド」。背景には、大量生産・大量消費といった前時代的な消費傾向からの脱却があります。消費する「モノ」に、そのときにしか出来ないカスタマイズされた体験や、自分のための一品であるという付加価値をプラスすることで、「モノ」に愛着を持ち、長く大事に使うという「コト」を提案しているのです。

たくさんの素材が並んだ量り売りの現場　余剰という世間的にタブーな部分をオープンにしてくださった心意気が素晴らしい

テーマを受け、MOVとして特に意識したのは、「オーダーメイド」だからといって、新しい素材を生産する必要があるのか？ということ。そこで、モノづくりの源流である、素材の生産現場において、どうしても出てしまう余剰を大きく取り上げ、これまでにない新しい購入体験を作り出すことを考えました。

そうしてたどり着いたのがover made STOREです。非常に上質な素材であるにも関わらず、産業構造の理由から"oversupply"=余剰となってしまう様々な素材（布、紙、瓶）を量り売りで販売し、その素材を使ったモノづくりを作家さんにお願いしたり、素材を使ってワークショップに参加したり。購入者参加型の新しい「オーダーメイド」を提案するコンセプトストアです。

ALL YOURS河部さん。布、縫い糸、構造。カワベさんの経験がモノを言う、ライブ感のあるモノづくりでした。

提供者から、素材の背景や特徴を聞きながら、好きなぶんだけ購入できる量り売りや、作家さんと話し素材や仕様のアドバイスをもらいながら、その場で新しい形がうまれるモノづくりは、ライブ感たっぷり。購入者が、本当に欲しいモノとは何か、を意識できる機会だったのではないかと思います。

ではここで、出展者からいただいたコメントをご紹介します。

生地を提供いただいた3-YG 片岡さん

東京での生地の販売は初めてだったが、イベント内容も後押しし、環境問題に関心のあるお客さまが多いと感じた。またオーダーで何かを作って欲しいという需要についても、とても多く、非常に良い経験になった。今後も飛躍できるきっかけとなり、今回知り合った方達と連携して、今後も継続して活動を行っていきたい。

ガラス瓶を提供いただいた大川硝子 大川さん

身の回りにあるものは、概ね適量ではなく、概ね余分にあるという事実。そしてその余分が概ね行き場がなく、質に問題がなくとも、ゴミ同然の扱いをされているという現実。それらを隠すことなく、さりげなくオープンにし、解決できる人達こそが、カッコイイ。

各業界における、それぞれの余剰事情を話し合い、前向きに解決していこうという、出展者の方たち。新しいプロジェクトのヒントも生まれたようでした。

また、会期中は、出展者の方に登壇いただくトークイベントも開催。素材メーカーさんから作り手まで、合計10名もの方にお話ししていただきました。

いかに余剰を作らないか、どうやってそれを活かしているか、みなさんそれぞれの工夫が興味深かった！

生産現場の裏話や業界のタブーな話（ここで言えないのが残念！）、家業を継いだストーリーなどなど。これからのモノづくりをリードしていく方たちが思う「作り手が考えるべき未来」について、様々な意見や視点を伺うことができました。

トークイベントはなるべくゴミが出ないよう、カップのない方にはMOVマグをご用意。量り売りで購入した瓶をグラスがわりにしてくださる方も！色鮮やかな野菜のディップを使ったカナッペも毎回大好評でした。

そして今回、会場でオーダーメイドをひっきりなしに受注していたALL YOURS カワベさんからは、以下のコメントをいただきました。

オーダーメイド作家として参加くださったALL YOURS カワベさん

その場にある素材で、お客さんと発想を膨らませながら想像したり、世間話をしながら縫ったり、と、新鮮な体験ができました。 間違いなく、お客さんに一番近い生産現場だったと思います！

このコメントからも伺えるように、単なる「オーダーメイド」の概念をアップデートした、ユニークな消費の仕方を楽しんでもらえたのではないかと思っています。

over made STORE | WANDERING CRAFTの展示詳細はこちらからご覧いただけます。