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モヴ百景 其の一景 デザインって、なに?


ふと聞こえてきた言葉に気を取られて、ついつい聞き入ってしまうことがありませんか?仕事に集中したいのに、いつのまにか会話に引き込まれて、手が止まっている自分に気づいて、あわてちゃったり、なーんて。

いろんな職種・人種が集まるコワーキングスペースMOVでそれは、象徴的な現象。あるあるすぎて、もはや景勝地といってもいいんじゃないの。そういうことにしておいて、聞き耳立ててしまった後ろめたさを払拭しよう、というのがモヴ百景です。へーーとなったり、クスっとなったりした話を紹介します。


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「このあいだ、ラジオに出演したんですよ」と話しているのは、幅広いフィールドで活躍するクリエイティブ集団 Square Garden武 聡志(たけ・さとし)さんと、Ronald Chang(ロナルド・チャン)さん。お二人が、ラジオでどんな話をしてきたのか聞いてみました。

※モヴ百景は、ご本人のご了承を得て記事にしています。

クリテイティブ・ディレクターはオーケストラでいうと作曲家


--どんなラジオに出たんですか?


Satoshi Take
武さん

「渋谷のミライ」っていう、渋谷のラジオの番組です。今のクライアントさんからの紹介で呼んでもらって。


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ご出演時のスナップ
真ん中のお二人、向かって右が武さん、左がロナルドさんです



--渋谷のラジオさんには、MOVもお世話になってました!どんなことをお話ししたんですか?


Satoshi Take
武さん

自分たちの仕事についてですね。クリエイティブ・ディレクターとかアート・ディレクターって、どんなことするのかっていう...。


--たしかに!かなり漠然としてるかも・・・。実際、どういう役割なんですか?


Satoshi Take
武さん

クリエイティブ・ディレクターは、サービスとかプロダクトの、プロジェクト全体を、どうデザインしていくか、どうクリエイティブにしていくかって考える人です。


--プロジェクト全体?監督みたいな感じ?


Satoshi Take
武さん

デザインって、主に視覚的な部分のコミュニケーションなんですね。お客さんは、そのモノを手にとって見たり、聞いたり、体験したりしますよね。その時に、価値があるとか、心地いいとか、便利だとか、そういう精神的な部分に落とし込めるのは、どういうデザインなんだろうって考えていく。例えるなら、オーケストラでいう、作曲家にあたります。


--オーケストラの作曲家!音楽の話になりましたね 笑。


Satoshi Take
武さん

実はわたし、デザイナーの道と、どちらに進むか迷ったくらい音楽が好きで。笑。 でね、奏でた曲を聞いたお客さんに、どんな気持ちで帰ってもらうか、って考える作曲家と同じパートを担うのが、クリエイティブ・ディレクターと言えると思っているんです。


--全体の方向性?それってプロデューサーとは違うんですか?


Satoshi Take
武さん

プロデューサーというのは、もっと、そもそもの部分。「○○をやろう」って考える人です。プロデューサーが決めたコトを、実際にどうモノとしてつくろうかって考えるのがクリエイティブ・ディレクター。つまり、「音楽祭をやろう」というのがプロデューサーで、「音楽祭でこういう雰囲気の曲目を演奏しよう」というのがクリエイティブ・ディレクターの仕事です。


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コアパートナーとして関わっているTEDxTokyoのサイトより、Square Gardenチームの紹介



--なるほど〜。じゃあ、ロナさんの、アート・ディレクターってどういう役割なんですか?


Ronald Chang
ロナさん

指揮者のポジションになると思います。作曲家のつくった曲を、演奏家たちの前で指揮する役割。クリエイティブ・ディレクターが決めたデザインの方向性とか、全体の作業の進行だったりを、指示する役割です。


--クリテイティブ・ディレクターが決めたモノを伝える、指示役ってことですか?


Ronald Chang
ロナさん

言われたことを、そのまま指示するって人もいると思います。でも、言われたこと、決まっていることの中に、自分のオリジナリティを落とし込みながら指揮する人もいます。


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ロナさんはオリジナリティを落とし込んでいく派!アート作品は画像をクリックするとご覧いただけます。



--その両者が揃ってるってことは、イメージを視覚化するところから、トータルでお願いできるってことですね。Square Gardenさんに。


Satoshi Take
武さん

そうですね。



身近なデザインにも、ぜんぶ意味がある


--デザインの道を選んだのはやっぱり好きだったから?


Satoshi Take
武さん

表現するって意味では同じぐらい好きなんですけど・・・。
「これは、どうしてこういうデザインになってるんだろう」って考えたことありますか?デザインされているモノには、意味や目的が明確にあるんです。身の回りにあるものすべてに、理由があるんだって気づいて。デザインって世の中の役に立つな、人の生活をより豊かにするものだなってところに、やりがいを感じたんですよね。


--そもそも、デザインってなんなんでしょう・・・?


Satoshi Take
武さん

ふふふ。えっとね、まず、流行のデザインってどうやって生まれるか考えたことはありますか?例えば、スマートフォン。20年前には、こんな板状になるなんてイメージされてなかったと思うんです。でも、今はこの板状のデザインが、みなさんの視覚的な共通言語になっていますよね。


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スタッフのスマートフォン、他。キャリアを問わずみんな板状!バリバリなのはおいといて!



--確かに。昔は電話のモノマネはバナナだったけど、今は板チョコとかでやるらしいですねー子供たちも!


Satoshi Take
武さん

デザインっていうのは、モノゴトを、時代や文化に合わせて最適化し、提供することなんです。みなさんに視覚的に共有することで、価値を広める働きをしてます。


"デザイン"に関する知見を収集!デザイン版Wikipediaリリース!?


--デザインが時代や文化を反映してるんですね。


Satoshi Take
武さん

なので、デザインの考え方は、国によっても違うんですよ。

Ronald Chang
ロナさん

私は、台湾出身なんですけど、台湾のグラフィックデザインは、画面上の複雑さというか、視覚的に大量の刺激を与えて伝えようとするんです。日本の場合は、簡潔、シンプルに伝えようとする。それぞれの国でいろんな考え方があると思うんですけど、私は、日本のデザインのそういうところが好きですね。



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日本ではアロハ〜でおなじみのこのハンドサイン、台湾では数字の6を表すそうです。
写真は社員旅行で訪れた、まさしくハワイでの1枚!ロナさんと、おなじくSquare Gardenの河西さん。



Satoshi Take
武さん

デザインっていうのは、知れば知るほど歴史的で、時代によってどんどん変化していっています。なので、昔のデザインがどう誕生してきたのかっていうこともすごく大切ですし、未来のデザインがどう変わっていくのかっていうことを考えるのも大切。


--歴史もそうだし、その流れが、国や地域の数だけあるってことですよね。複雑だ。


Ronald Chang
ロナさん

なので、いまちょうど、Square Gardenで、デザイン版のWikipedia(仮)をつくっていこうかなと思ってます。デザインの歴史がどういう風に進んできたのか、もっとわかりやすく伝えられるような、デザインの知見が集合するメディアをつくっているんです。


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その他、現在進行中のプロジェクトはこちらでチェック!



--デザインの歴史もわかるし、なにかデザインで困ったことがあった時に調べられるように、まとめてあったら、めっちゃ便利ですね!


Satoshi Take
武さん

それをいままさにつくってる最中です。

Ronald Chang
ロナさん

できれば年内にリリースしたいなと思ってます。もちろん全編公開ではなく、一部を公開して、徐々に整えていく、という形になるかと思うんですけど。


--Wikipediaみたいにっていうことは、最終的にはみんなでどんどん情報を足していくサイトになるんですか?


Ronald Chang
ロナさん

そうです。私たちはその土台をつくるっていう感じです。

Satoshi Take
武さん

デザインって、知ってるようで知らないことが多い。僕らは、その漠然としているものに、どう価値をつけてビジネスに取り入れていくかってことを、いつも考えているわけですが。その集大成として、デザインっていうメディア(Wikipedia)をやろうと思ってます。


--楽しみです!ぜひ、またMOVchannelでも紹介させてほしいなー!