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攻めのディレクターと柔軟なデザイナーがベストマッチして『MUGEN BEAUTY』が誕生した話 ー モヴ百景 其の13景

「これできる人いませんか?」は、コワーキングスペースの醍醐味だけど、今回スタッフに依頼いただいたのは、"柔らかなお人柄で柔軟に対応してくださるデザイナーさん"、というちょっと珍しいリクエスト。職能とかじゃなくて?
実はこの依頼が、2021年10月4日にリリースされたエイジングヘアケアブランド『MUGEN BEAUTY』の誕生へとつながります。いったいどんなふうに?
しかも人探しの依頼があったのは、コロナ第一波で世の中が萎縮しはじめた真っ盛りの2020年春。外に出ることも難しくなって、現状維持にすら試行錯誤していましたよね。それから約2年弱。めでたくお披露目となった『MUGEN BEAUTY』の誕生までを、立役者となったお二人に伺いました。

MUGEN BEAUTYはWEB限定販売。オフィシャルサイトはこちら。
コロナ禍で攻めの姿勢を貫いたブランディングディレクターの前島さん

これまで量販店での流通をメインに商品開発していたクライアントさんから、「コロナが収束しても今後の消費行動は店舗よりWEBが盛り上がっていきそうだから、もっと直接ユーザーとコミュニケーションをとれるような商品をつくれないか」というご依頼をいただいて。

前島 ゆみさん|Yumi Maejima
株式会社JUMII TOKYO 代表ブランディングディレクター。ベンチャーにてコスメブランドの立ち上げとディレクションを経験し独立。美容製品を中心にジュエリーなど女性向け製品のブランド・ディレクションや商品企画等を手掛けるほか、マーケティング、ブランドマネージャー等、プランニングから実務まで手がけています。NARD JAPAN認定メディカルアロマテラピスト資格保有。仕事に欠かせないものはスマホ。

これすごくいい!と感じた商品に天然の『アスタキサンチン』が入っていたんです。分厚い英語の専門書を読みこむくらい惚れ込んでしまって。ぜひこれを主成分につくりたい!と。すっごく高いんですけど。笑。

「リサーチの時は必ず自費で購入し、使用感だけでなく費用感も確かめるようにしている」という前島さん(右)。左が依頼を受けることになる臼木さん「コロナ禍だからこそ攻めに転じる前島さんたちの姿勢が、すごく印象的だった。」
人柄重視でマッチング!コンセプトデザイナーの臼木さん
売り場で映える華やかなパッケージや若い世代向けのポップなデザインは制作経験があったけれど、WEB限定の、しかも高単価な商品を、どういう視点でつくればいいのか。悩んだ前島さん、まずはデザイナーさんを探そうということで、今回の依頼にたどり着きます。
コンセプトや予算も含めて、関わるみんなでブレストしながらブラッシュアップしていくことが多いので、チームとしてワイワイやれそうな人がいいなと思って、最初にお人柄についてお願いをしたんです。

仕事の依頼で、"温厚な人を"とか人柄についてのリクエストをいただいたのは初めてでした。笑。
普段は大手企業の先行開発案件が多いのですが、あの頃は外注を伴うような開発業務が、まさに水を打ったように静まり返った時期でした。

臼木 幸一郎さん|Koichiro Usuki
ロノフデザイン株式会社 代表コンセプトデザイナー。革新的なプロダクト・サービス・ビジネスのデザイン。30年以上に渡り、電機、通信、自動車、住宅設備、育児用品、化粧品、文房具、革製品など、多岐にわたる分野の開発プロジェクトに携わってきた経験を活かし、顧客企業の新規事業創出のクリエイティブ全般を担う。仕事に欠かせないものはお風呂(気分転換)。
ブラッシュアップされていく作り手の想い
"ロゴとパッケージデザインを頼める人"、という依頼でおつなぎした臼木さんが、チームに加わって最初に提案したこと。それは複数のターゲットユーザー像でした。
当時はまだ「誰に向けた商品なのか」という情報がなかったので、まずあらゆる方向性をフラットかつ視覚的に並べてみて、この人たちに向けてはこう、あの人たちに向けてならこう、このブランドが目指したい方向はどこですか、ということを問うところから始めたんです。

あれがすごく良かったです!チームのみんなも感激していました。コーポレートサイトがすごいシュッとしてたので、自分の意見をガッツリもっていらっしゃるかなと思ったんですけど。笑。柔軟に、丁寧にヒアリングしていただけて。方向性に合わせて、ロゴも各テイスト別に全種つくっていただいたんです!

アスタキサンチンの赤と、落ち着いた雰囲気のグレーを基調にデザインされたロゴ。
「オーダーがまだクリアじゃない時は最初にきちんと意識合わせをしてから進めていく」という臼木さん。長くデザイン業に携わっている経験値からか、押しつけずに引き出していくプロセスが功を奏し、結果トータルでデザインワークを手がけることに。そうして少しずつブラッシュアップされ、ついに『MUGEN BEAUTY』が誕生する。初めてのお客さんからは「一体どんな人が来るんだろうってドキドキしていました」とよくいわれるというロノフデザインのコーポレイトサイト。プロフィールの写真は「半分冗談で使っている」のだそうだけど..。「紹介じゃなかったらお願いできなかったかも!敷居が高そうで笑」と前島さん。
こだわり抜かれてカタチになった『MUGEN BEAUTY』
美しさは人それぞれが持っているもの。その美は無限に広げることができるんだよ、という想いが込められた『MUGEN BEAUTY』。プロダクトにもお二人の無限のこだわりが詰まっています。例えばボトル。
抗酸化作用の強い商品なので、使用中に空気が入らないようにしたいなと思って。生醤油とかのぴゅーっとつぶれていく容器みたいにしたら、もっと商品の特徴が際立つんじゃないかと思ったんです。

ボトルは透明ではなく薄いグレー。「色味もすごい調整していて。そんな微妙なところまで?と思っても、変えると確かにこっちの方がいいね、みたいな」と前島さん。

だいたいボトルって容器屋さんが持ってるありものから選んで、色を決めて、ロゴをプリントしておしまい、ということが多い。でも今回はボトルを成形する金型から作ったんですよね、図面を書いて。これは実はすごいことで。

臼木さんくらいこだわってくる人ってあんまりいないから、容器屋さんもすごい面白がってくれて。「やりましょう」ってすごくたくさん出してくれましたよね。

「毎回届くたびに「きた〜!」って嬉しくなるようなものにしたいなと思って。」というボックスももちろんオリジナル。
では最後に、いまのお気持ちをどうぞ!

コンセプトを生み出す仕事って毎回カタチになるわけじゃないんです。たくさんある企画のなかに埋もれてしまったり、研究所との仕事なんかだとカタチになるのは30年後とかだったり。だからこうやって2年足らずで世の中にでて、実際に使うことができるっていうのはすごく嬉しいですね。

無限に残しておきたいと思う美しいものは?「儚くていいんじゃないかな。」
なるほどたしかにコンセプトって概念だし、意識に根付かせることが目的だったりして、カタチするのはむずかしいこともあるだろう。プロダクトを作り続けてきた前島さんは?
商品を出す時っていつも結婚みたいだなって思ってて。結婚て、した時はいちばん幸せなんだけど、そのあといろいろあるじゃないですか。商品も、出すときは幸せなんだけど、伸び悩んだりとか広告費これだけかけたのにとか、いろいろなトラブルが待ち受けてるわけですね。だから、これからだぞと思ってます。

無限に残しておきたいと思う美しいものは?「感謝の気持ち。」
いいものを作りたいという熱意が言葉のはしばしから伝わってくる前島さん。相手の思考を整理してデザインに落とし込んでいく臼木さん。お二人のベストなマッチングによって生まれた『MUGEN BEAUTY』は、ヘアケアから日常を楽しくする仕掛けまで詰め込まれた自信作!これからもラインナップを増やしていくということで展開が楽しみだ。