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「ネガティブ」 が 「共感」へスイッチする本/ひきこもり大学出版チーム編『特別講義 ひきこもり大学』

読書の秋にギリギリ滑り込みセーフ!?
MOVにある2つの本棚から、本を1冊ずつご紹介しているモヴの図書だよりです。

今回は、ライフスタイリストでMOVメンバーの河面乃浬子(かわも のりこ)さんをはじめ8人の共著で編まれた『特別講義 ひきこもり大学』をご紹介します。
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企画から出版まで4年要した大作!Amazonで購入できます!

河面 乃浬子さん|Noriko Kawamo

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スタイリストとして、数多くのCMスタイリングを手がけるが、日本での生きづらさを感じて、ニューヨークへの「外こもり」を決意。当地でインテリアやジュエリー関係の職業に従事する。

帰国後イメージコンサルタントをするなかで、うつも体験。現在はスタイリストで培った感性と心身の病の経験を活かし、人種、国籍、年齢、ジェンダーを超えて、内面と外面双方向から自己受容を喚起し、自尊心を復活するための「ライフスタイル・シフト」を提唱。人生100年時代の応援をつづけている。

オフィシャルサイト:https://bonne-maturite.com/

ひきこもり大学』って?

タイトルにもなっている『ひきこもり大学』。みなさんご存知でしょうか?聞き馴染みのない名前だし、"ひきこもり"と"大学"の文字並びが、なんとも新鮮ではありませんか?

ひきこもり大学』は、2012年にひとつのアイディアとして誕生し、2013年から現在まで講義+対話の場という形で、全国で開講されているイベントです。
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本の中にも登場した2015年開催時のチラシ。この年は21都道府県まわったそう。

大学というからには、もちろん講師と生徒がいます。ひきこもり大学では、ひきこもり当事者が講師、親や支援者が生徒なんだそう。

著者で発案者で学長でもある寅さんは本書の中で、「当事者が親に教えるというのが、ひきこもり大学の最初のコンセプトだった」と書いています。支援者が当事者を助ける関係性とは真逆で、元当事者が現当事者に教えるのとも違いますよね。

これまでの考えを逆転させるような関係性への思いや経緯は、ぜひ読んでいただくとして、1時限目として綴られる学長からの「開学メッセージ」のなかに、なんとも力強い言葉を見つけましたのでご紹介します。
ひきこもり大学で違う価値観に触れ、自分の思考の枠組みから出て、多様な価値観に触れてほしいと思います。そうすることで、ひきこもっている人だけでなく、すべての生きづらさを抱える人の学び、気づき、癒しになっていく大学になると思います。

多様性に富んだ8つの学部

講義をする先生が、話したい内容にそって、学部&学科名を付けられるのもとてもユニーク。本書に掲載されている特別講義、8つの学部と学科を書き出してみました。
  • ・マスコミ学部 ジャーナリズム学科
  • ・外こもり学部 ライフスタイル・シフト学科
  • ・KHJ家族関係学部 母親の気づき学科
  • ・回復学部 母と娘学科
  • ・ビジネス学部 アフィリエイト学科
  • ・ひきこもり対話学部 ファシリテーション学科
  • ・発達障害学部 ピアサポート学科
  • ・セルフヘルプ学部 アダルトチルドレン学科

いわゆる"ひきこもり"にも関連のある、発達障害やアダルトチルドレンといった専門用語にまざって、一見すると関連がなさそうなアフィリエイトや、ライフスタイル・シフトという聞きなれないワードも混ざっています。

これは、ひきこもり経験者に加えて、メディア、サポートをする立場の方、家族など、それぞれの立場から自分自身のことを交えて綴った形式だからこそ!とても多様性に富んだラインナップになっているんです。
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6時限目「アフィリエイト学科」を担当した近藤愛さんも元MOVメンバーさん。

外こもり学部ライフスタイル・シフト学科

そして、第3時限目の、外こもり学部ライフスタイル・シフト学科を担当なさったのがMOVメンバーの河面乃浬子さん。乃浬子さんは内面と外見の両方からスタイリングし、人生をシフトする気づきをあたえるライフスタイリストとして、勢力的に活動なさっています。

ひきこもりというと部屋など「内」にひきこもる印象がありますが、乃浬子さんは、日本社会での生きづらさから、12年間ニューヨークへ「外」こもる経験の持ち主。本書では、ご自身の半生と外こもり経験を通じて、「生きづらかった経験は、私の最大の強み」と、人生をフラットに応援する場『自尊心Wake up!ひきこもりライフシフト』を開催するまでに至った経緯を綴っていらっしゃいます。
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乃浬子さんのスタイリングでカメラマンにプロフィールフォトを撮ってもらえるという、MOV市でも人気のコンテンツ。
この活動の誕生秘話はこちらでもご紹介しています→『Play Back ! 渋谷コワーキングの人々 #05 誰かを輝かせる人たち編

ネガティブさから共感へ、イメージがスイッチ

"ひきこもり"、という言葉は、どうしてもネガティブさが先行し、さらに当事者以外には関係ないと思われるかもしれません。ですが本書を読み進めると、「"ひきこもり"って、わたしも感じたことがある"生きづらさ"に繋がるな?」とネガティブさから共感へ、イメージがスイッチするのを感じました。

全世界の人たちがほぼ強制的にひきこもり生活を余儀なくされた稀有な季節を過ごしたからこそ、読んでみていただきたい"ひきこもり先駆者"たちの本。当事者だけでなく、彼らの周りにいる親や、もっと多くの人たちを巻き込んだ社会全体に共感の波をつくる、ポジティブでエネルギッシュな1冊です。 ぜひ気負わずに、手に取ってみてください!
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「ほとんどMOVで生まれたようなものよ〜」という乃浬子さんの言葉がうれしくて、献本いただいた書籍をかっこよく撮った。